さようなら夫、こんにちは未来〜サレ妻母ひとり子3人わが家の暮らし再構築機〜
前回の記事では、探偵に調査を依頼するまでの経緯を綴りました。
そしてついに迎えた、夫が義実家へ帰省する日。
私の予想通りのタイミングで、その計画が立てられていました。

今回の記事では、夫の義実家帰省不倫旅行について綴ります。
事前の準備
出発日は早朝。
少しでも調査の助けになればと思い、私は夫の当日の服装をこっそり撮影することに決めました。
前日のうちに、夫が家を出て道を歩く姿をしっかり撮れる場所を検討。
もしも振り返られても気づかれないような場所を入念に考え、撮影の練習もしておきました。
カメラは望遠レンズに付け替えて準備万端。
このカメラは、長男が生まれたときに「子どもの成長をきれいな写真で残したい」と思って購入したもの。
10年後、不倫旅行に出かける夫を撮影するために使うなんて……当時は夢にも思いませんでした。
不倫旅行に出発する夫
当日。
夫の飛行機の時間は事前に聞いていたので、そこから逆算して出発時刻を予測。
スマートウォッチにアラームを何度か設定し、夫の起床のタイミングを見計らいました。
夫がリビングで身支度を始めた物音が聞こえたとき、私も静かに寝室を出て撮影の準備をします。
カメラを構え、緊張の中でその瞬間を待ちました。
やがて、玄関の扉が開く音。
――ついに、出発の時です。
私は予定通り、夫の姿をしっかりとカメラに収めることができました。
夫は振り返ることもなく歩いていきます。
早朝の住宅街、スーツケースを音を立てないようになのか持ち上げて歩いていく夫。
そのままリビングへ戻り、撮った写真を調査員に送信。
ふと、こんなことを思いました。
「調査員の人たちは、いつもこんな緊張感の中で動いてるんやな……大変な仕事やなぁ」
その後、調査期間に入ると、調査員から夫の行動に関する報告が逐次入ってきました。
何とも言えない気持ち。でも、不思議と冷静な自分もいました。
夫は実家の最寄り空港に到着すると、到着連絡だけを私に送ってきました。
その頃、夫は空港のモニュメントを楽しそうに写真撮影していたようです。
常にイヤホンで誰かと話しながら、嬉しそうに過ごしていました。
その“誰か”はもちろん、私でも子どもでもありません。
夫が撮った写真が私や子どもに届くことは、当然ありません。
女との密会
そして――
ついに、夫が女と合流する日がやってきました。
相手は、私が予想していた“幼なじみの女性”。
独身だと聞いていましたが、10年ぶりに見た姿には驚きました。
昔の面影はあるけれど、写真で見る限り年齢よりも老けてみえる風貌でした。
「こんな相手なんや……」という思いと同時に、
「もし素敵な人やったら、もっと複雑な気持ちになってたんかなぁ」とも思いました。
でも、そのとき一番強く感じたのは――
「ちゃんと不倫相手と会っててよかった。調査が無駄にならなくてよかった」
もはや、悲しさは湧き上がってきませんでした。
自分の気持ち
調査員から届く報告の数々。
夫の行動は、とにかく呆れることばかりでした。
――幼い子どもが3人もいるのに 家族をほったらかして不倫両行
――口先では「両親の負担を減らすため」と言いながら 実際にしていたのは紛れもない不倫行為
ショックや悲しみというよりも、ただただ呆れた。
そんな夫に、もう何も思わなくなっている自分の気持ちを客観的に見つめて、
「あぁ、私の気持ちは完全に冷めきってるんやな」と実感した。
夫がわが家に戻ってくる日
そして、夫が帰省から帰ってきました。
調査期間中は冷静でいられた私も、
何食わぬ顔で子どもたちと接する夫の姿を見ていると、
頭がおかしくなりそうなほどの気持ちになりました。
極めつけは、義実家から届いた宅配便。
その中には、夫が買ってきた“お土産”が入っていました。
それは子どもたちが大好きなキャラクターグッズ。
しかしそれは、不倫相手とのデート中に立ち寄った場所で購入されたものでした。
夫はきっと、何も考えずに買ったのでしょう。
子どもたちは満面の笑みでこう言いました。
「パパが買ってきてくれたー!」
私にそう報告してくれる長男と次男。
その笑顔を見た瞬間、胸が締めつけられるように痛みました。
次回
今回の調査で、私は確固たる証拠を掴み安堵しました。
ただ、それからは
「この人はいったい、何を考えているのだろう」 そう思わずにはいられなかった日々が始まります。
このシリーズでは、
サレ妻としての日々・家庭再構築の過程・母ひとり子3人の暮らしのリアルを
これから少しずつ書いていきます。
どうか、どこかの誰かの力になりますように。